DM

ダイレクトメールやFAXDMは迷惑行為なのか


DMを送るときに、クレームを気にされる方は多いと思います。確かに受信者のなかには「要らないものを送りつけて」とお怒りになる方もいれば、何度も送られてきて煩わしく感じる方もいます。一方で「有益な情報だ」と思えば素直に受け取ってもらえますし、感謝されることだってあります。DM = 迷惑だと決めつけてしまうのは、すこし短絡的かもしれません。違いはどこにあるのでしょう。

押し売りになるセールスと、提案になるセールス

そもそもセールストークは迷惑なのでしょうか。自分がお店に入った時、店員の対応にどう感じるかを考えてみるとわかりやすいと思います。

洋服を買おうとお店に入って商品を物色していると、
「何かお探しですか?」
と店員が寄ってきます。

自分のペースで探したい人からすれば、ちょっと煩わしい行為です。手にしたものをいちいち説明されたり、「流行っている」なんていう理由で勧められたりしても、自分が求めていることではありません。しかし本人が選択の手がかりを求めている時なら、専門家に相談するきっかけになるものです。

「週末に登山に誘われたのだけど、どんな格好をしていけばいいかと思って」

すぐれた店員はさりげなく用途や好み、予算や既に持っているものなどを聞き出しながら、適切な商品を代わりに選んでくれます。こうなると単なるセールスではなく立派なコンシェルジュです。顧客にとっても店員にとっても、気持ちのよいコミュニケーションが生まれていくでしょう。

相手が求めているなら、よろこばれる

よろこばれるか嫌がられるかの違いは、実のところ「顧客側が求めているかどうか」でしかありません。

どこかのタイミングで「何かお探しですか?」と声をかけなければ、顧客との会話は始まらないのです。会話を発展させていくのか一歩退くのかを決める手がかりは、声がけした後の顧客の反応。ここを間違えてしまうと、ただの押し売りになってしまいます。注意するべきは最初のアクションにつづく顧客との関わり方にあるでしょう。

DMは、このようなファーストアクションの場面だと言えます。
勇気を持ってお声がけをして、関心やニーズがある方だけに適切なコミュニケーションを取っていくのなら、それは決して押し売りにはなりません。往々にして迷惑の原因は「手段」ではなく「内容」にあるものです。

よろこばれる内容を追求しよう

参考にできる例は、町を歩けばいくつも見つかることでしょう。店員が声がけするときのフレーズはDMで言えばキャッチコピーのようなものですし、ディスプレイやメニューは商品の見せ方の手がかりになります。

・ ファーストフード店で言われる「ご一緒にポテトはいかがですか?」を、セールスと感じるか、提案と感じるか。
・ コンビニやコーヒーショップで言われる「ポイントカードをお持ちですか?」は、誰によろこばれているのか。
・ 「本日のおすすめ」や「晩酌セット」は注文しやすいか。ずらりと並んだ日本酒の銘柄は、ワクワクさせるのか、困惑させるのか。

いずれも工夫の結果であって、ある人には有益だったり、ある人には余計なものだったりします。よく出来ているものもあれば、すこし見当違いのものもあるでしょう。DMを迷惑なものにせず、有益なメッセージとするには、どんなアプローチが良いのでしょうか。

まずは受け取る人の気持ちになって、原稿を見なおしてみてください。

寄稿者:辻田将信
記事タグ:ダイレクトメールやFAXDMは迷惑行為なのか